勇気づけられたこと・・・
武田哲矢の歌の歌詞で「悲しかったら、空を見よ」とか何とかいう歌詞があるそうですね。
武田哲矢は竜馬が好きだったから、竜馬の言った言葉から取った歌詞だったのかな・・・と勝手に想像しています。
僕も高知出身の妻も竜馬の大ファンで、それを強く意識していたころの話です。
当時、僕はサラリーマンでした。
仕事に行き詰まりを感じ、ものすごく落ち込んだ時期がありました。
朝起きた瞬間から身体も気分も重く、時間ぎりぎりになってやっとふとんから抜け出るという有様でした。
うなだれながらも、会社に行こうとしている不恰好で冴えない僕を妻は車で駅まで送ってくれました。
「行ってきます」の言葉もないまま車を降り、トボトボと改札口に向かおうとしている僕の背中に妻は大きな声で叫びます。
「お父さん、空よ!」「空を見るのよ!」
「つらいときにはね、空を見るのよ!」
「つらいときにはね、空を見るのよ!」
振り返ってみると、妻の右手の人差し指は、空を差していました。
「ああ・・・」と元気のない声で答える私は、空を指差す妻の姿をぼんやりと眺めていました。
その後、私は悲しくても辛くても空を見上げることはありませんでした。
妻が言ったとおり空を見上げることはなくても、あのときの「空を見るのよ!」と言ってくれた言葉がどれほど私に勇気をくれたことか。
言ったことの内容なんて、どうでもよかった。
智慧の限りを尽くして妻が考え出して言ってくれた言葉なのだから・・・